サテライトオフィスの活用方法とは?

このページでは、サテライトオフィスについて説明しています。あまり耳馴染みがない方も少なくないでしょう。より快適で安全な環境で働けるように、そしてワークスタイルの多様化が進む現在のニーズに対応するためのひとつの方法として、考え出されたオフィスであるともいえます。サテライトフィスの特徴をつかみやすくするために、一部、在宅勤務の特徴と比較しながら紹介しています。

サテライトオフィスの特徴

サテライトオフィスには、これまでにない特殊な構造や設備があるわけではありません。というのも、サテライトオフィスとは賃貸物件やレンタルオフィスを、メインオフィスに対する支社や支店として位置づけ、利用するオフィスのことだからです。ですから、サテライトオフィスは大抵の場合、企業が本社を構えるエリア以外の場所に設置します。

それであれば、「支社」や「支店」などの名称のままでよいのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、ほんの少しニュアンスに違いがあります。サテライトオフィスのほうが、支社よりも携わっている社員やスタッフの人数が少ないのが一般的です。各社員のライフスタイルに合わせるために設置したり、あるいは支社よりも小規模なマーケットを対象にしたりするケースが多いからです。

注目度が高まりつつあるサテライトオフィス

近頃サテライトオフィスの存在感が強くなりつつある背景には、「働き方改革」が進行している状況があります。かつてのようにほとんどの社員が同じような勤務スタイルをとるのではなく、一人ひとりが自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶようになっています。

例えば、女性であれば出産を機に会社を退職し、子育てに一定期間専念するケースがかつては一般的でした。現在では、仕事と子育てを両立できるように企業側からいろいろな仕組みを考え出されています。

サテライトオフィスも、そのひとつだといえます。自宅からそれほど長い時間をかけずに通勤できる拠点があれば、子育てのかたわら勤務を続けやすくなるでしょう。本社からの支店では、ある種のテレワークスタッフという位置づけになるかもしれません。比較的新しいシステムではありますが、都市部だけでなく、郊外や地方などのエリアでも、サテライトオフィスを導入している企業がそれほど珍しくなくなってきました。

在宅勤務の特徴

サテライトオフィスに、テレワークを可能にする性質があることは上述のとおりですが、テレワークといって最初に浮かぶのは、「在宅勤務」という働き方だという人も多いのではないでしょうか。

在宅勤務は、比較的古くからあるワークスタイルだといえます。現在では、自宅にパソコンがあり、かつインターネットができる環境が整っている場合が多いため、在宅勤務で問題なくこなせる仕事がかつてよりも増えています。

自由な働き方ができそうな在宅勤務ですが、育児中で家に小さな子どもがいる場合などは、ウェブミーティングに参加するのが困難な場合があるかもしれません。あるいは、仕事に集中したくても、子供の面倒を見ながらでは、高い集中力をキープしにくいこともあるでしょう。そうであったとしても、在宅勤務ができれば、通勤する場合と比較すれば、子育てなどをしながらでもできる仕事が、増えるメリットがあります。

また、都心部や都会まで通勤するのが難しい地方に在住している人にとっても、在宅勤務という働き方の選択肢を与えられれば、働くことが可能になります。企業側にとっても、移動がゼロになるため、通勤コストを削減できるメリットを得られます。

サテライトオフィスを設置するメリット

都心部や都会に本店を構える企業が、郊外や地方エリアなど、はなれた場所にサテライトオフィスを構えることで、さまざまなメリットが生じます。その中で、ぜひおさえておきたい2つのメリットについてみていきましょう。

メリット1.サテライトオフィスなら効率的に時間を使える

東京や大都市にある会社に通勤する場合、「毎日通勤を続けるのは、不可能ではないけれどもかなりキツい」という人も多いのではないでしょうか。激しいラッシュアワーや、複数回にわたる電車の乗り換え、そして長い通勤時間…。毎日のことだと、体力的にも精神的にもかなりの負担があることは想像がつきますね。郊外に支社のような役割をもつサテライトオフィスがあり、通勤が大変な郊外在住の社員たちがそこで勤務できるのであれば、通勤時間の大幅カットが可能になります。

地方にサテライトオフィスを構える場合なら、同様に地方在住の社員のストレスを緩和できるでしょう。もちろん、人によって仕事の捉え方や価値観は異なるため、通勤時間の短縮のみが全ての人にとって仕事環境の改善に直結するわけではないかもしれません。ただ、ある研究では、「通勤にかかるストレス」と「仕事の満足度」に相関関係がある、という結果が実際に出ています。

メリット2.BCP対策としても有効

サテライトオフィスを構えることで、BCP対策を強化することが可能になります。BCPとは「Business Continuity Plan=(事業継続計画)の頭文字です。何らかの災害やトラブル、事故などが発声したときに、会社の運営が大きなダメージをうけないように講じておく計画のことです。

すべての重要なデータや設備をすべて本社に集中させてしまうと、万一のときに、復旧のめどさえ立たなくなるような状態になってしまう可能性が高まります。

けれども、本店から離れた場所にサテライトオフィスがあり、そこにデータを分散保管しておけば、その受けるダメージをもっと小さくすることができると考えられます。自然災害が多発する日本においては、特に考慮すべき対策だといえるでしょう。

サテライトオフィスにはレンタルオフィスが最適

サテライトオフィスを構える際、レンタルオフィスを活用することで、大きなメリットを得られます。特におさえておきたいもの2つを紹介します。

メリット1.低コストでオフィスの拡張・縮小が自在

新規部門を立ち上げる場合、その部門がビジネス的に成功するかどうかは、スタート時点ではなかなかわからないものです。事業スタート当初から、大きな賃貸物件などを利用してしまうと、賃料が高すぎて採算がとれなくなってしまうリスクがあります。

かといって過度に小規模なオフィスを選ぶのもおすすめできません。あまりに規模が小さいことが災いして、ビジネスの成長が知らず知らずのうちに妨げられてしまう可能性もゼロではないからです。

では、どうしたらよいのでしょうか。「利益の伸びや事業規模の成長に合わせて、利用するオフィスの規模を変化させていく」方法が理想的です。ただ、一般的な賃貸物件のオフィスだと、気軽に引っ越しをしにくいという問題があります。

一方、レンタルオフィスを利用すれば、もっと広いオフィスに変更しようとする場合、備品や機器などを一緒に移動させる必要がありません。それらは、もともとレンタルオフィスにそろっている設備の一部だからです。引っ越しをする場合、月単位の契約更新をしなければ、それで契約を終了できますし、設備を運ぶ手間も省けるわけです。コストを抑えつつ、気軽にそして身軽にオフィスの拡張あるいは縮小ができるというのは、レンタルオフィスがもつ大きなメリットだといえます。

メリット2.採用にサテライトオフィスを利用

現在、地方での人手不足をはじめとして、人材獲得が難しくなりつつある状態にあります。採用活動で少しでも多くの成果を出すために、テレビ電話面接や出張面接などを実施している企業もみられるほどです。

この問題を軽減したい場合にも、サテライトオフィス上手な活用でできることがあります。居住地がはなれていたり、あるいは長い時間を確保するのがなかなか難しいような人でも、それほど遠くないところで面接を受けられるとしたらどうでしょうか。

都会に本社がある企業であれば地方に、そして地方に本社がある企業であれば都会に、それぞれサテライトオフィスを設置することで、採用できる人材の幅がグッと広がるはずです。働き方の多様性に対応するだけでなく、採用活動の大切な拠点として、比較的気軽に設置できるサテライトオフィスの利用は、検討の価値が充分にあるといえます。