オフィス運営の固定費を削減するには

オフィスを運営していく上で、利益率をアップさせるために必要なことは何かと問われたら、「まずは売上を増加させること」という答えが浮かぶ人は少なくないでしょう。もちろん、正解のひとつではありますが、売上増加にはさまざまな要素が関係しているので、それほど容易ではありません。そこで、このページでは、企業努力によって削減できる固定費にスポットをあてています。固定費削減によって利益率をアップさせる方法をみていきましょう。

オフィスで削減可能な固定費は4種類

「固定費」とひとくちにいっても、その種類はさまざまです。人件費は、もっとも大きい固定費のひとつです。ただ、優秀な人材が離れていかないようにするためにも、人件費を削減する方法はできるだけ避けたいところ。そこで、人件費以外の4種類の固定費をできるかぎり削減していく方法について考えていきましょう。

レンタルオフィスのメリットが見えてくる

まずは、4種類の固定費の性質をいまいちど確認してみることが大切です。そのうえで、在宅勤務などをはじめとするさまざまな「テレワーク」という働き方が広まりつつある現状をふまえ、改善策を導入していくのがおすすめです。その過程で、レンタルオフィスやバーチャルオフィスの利用が、ひとつのキーワードになるほど、コスト削減に貢献する可能性を持っているサービスであることを実感できるのではないかと思います。

オフィスの固定費1.オフィスの賃料

売上高に対して占める割合が高い

オフィスの賃料は、一般的に毎月の売上総利益にたいして平均で10~20%と言われています。もちろん業種やオフィスを構えているエリアなどにより異なりますが、契約・更新時にかかる敷金や礼金も負担の大きい項目。特に敷金は賃料の半年~1年分を指定されることもあり、起業時には負担の大きな支払い項目です。

引用元:オフィスの賃料を考える!売上に対する地代賃料の割合|貸事務所ドットコムポータル(https://www.kashi-jimusho.com/topics/1359/)

高い賃料を支払う場合、そのコストがしっかりと利益につながるような有用性を見込める場合は問題ありません。しかし、必要とする面積よりも広いオフィスを利用していたり、業種上あまりメリットがないにもかかわらず立地にこだわりすぎていたりする場合は、企業の運営においてかなりのマイナス要素となっているはずです。

賃料を削減するには?

賃料は、固定費にしめる割合が高いだけでなく、初期費用がかかることも大きな問題点です。オフィスによっては、礼金に加えて半年から1年分の賃料の敷金が必要になります。そのため、これから起業する場合やオフィスの移転をする予定がある場合は、多額の初期費用を避けるために、レンタルオフィスの活用を検討してみるのもおすすめです。

先の見通しが立ちにくい起業時や、できるだけ移転にともなうコストを削減したい時、敷金や礼金がかからない場合が多いレンタルオフィスは、おすすめの選択肢だといえます。また、1ヶ月単位での利用契約が一般的であるため、仮にレンタルオフィスの使い勝手が悪いと感じても、比較的簡単に別のオフィスを探せるのも魅力的です。

バーチャルオフィスなら大幅削減が可能

また、テレワークなどが広まりつつある中、「かならずしもオフィスは必要ないかもしれない」と感じる人もいるのではないでしょうか。そのような場合は、バーチャルオフィスを利用すれば、レンタルオフィスを利用するケースよりもさらにコストを削減が可能です。実質的には自宅などで勤務していても、名刺やホームページにはバーチャルオフィスの住所を記載できるので、自宅の住所を公開せずに済みます。プライバシー保護の観点からも安心感を持ってレンタルできるでしょう。

個人事業主の場合も同様、バーチャルオフィスは検討の価値ある選択肢だといえます。高額な賃料を削減できれば、固定費がかなりおさえられるため、その分が収入にも直結するわけです。

オフィスの固定費2.電気代

光熱費の中でもっとも負担が大きい

毎日オフィスを使う場合、1ヶ月あたりの電気・ガス・水道などの光熱費は、無視できない金額になることもあります。特に、多くの場合、電気代の負担がかなり大きくなっているはずです。飲食料品を扱う小売業やホテルの場合、売上の数%を占めているケースもあります。

業種によっては電気代の削減は難しいでしょう。ただ、社内のスタッフによる努力や工夫により、削減が可能なケースもあります。

電気代を削減するには

電気代をはじめとする光熱費の削減は、基本的には小さな努力を続けていくのが、結局はベストな方法であるといえます。夏場や冬場のエアコンの使用時間を短縮したり、コピー機を使用する場合はミスコピーをしないように気をつけたりするなど、電気代を意識した行動を積み重ねていくことが大切です。

あるいは、テレワークを部分的に導入する工夫をすれば、より多くの光熱費削減が可能になるでしょう。ちなみに、レンタルオフィスなどを利用する場合は、物件により異なるものの、毎月のオフィス使用料金に光熱費が含まれることもあります。完全個室タイプのレンタルオフィスであれば、個室ごとにエアコンが付いているため、常に快適な室温をキープすることができます。暑さや寒さに弱いのであれば、室温に気をとられずしっかりと仕事に取り組みやすいこの選択肢も、ぜひ検討してみてください。

残業中のエネルギーコスト

思い切って残業を減らすのもひとつの手です。「エアコンの効いた部屋で集中して仕事に取り組み、定時にオフィスを閉める」といった方法は、仕事の効率化のためにも、試してみる価値がありそうです。

オフィスの固定費3.事務用品コスト

2種類の事務用品コスト

文房具をはじめとした事務用品の固定費も毎月発生する固定費として、一定のコストがかかるものです。文房具は基本的に消耗品なので、毎月一定量のコストかかるはずです。コピー用紙や筆記用具、メモ帳、のり、ホチキスなどをはじめとして、補給し続けなくてはならないアイテムは多いです。

一方、消耗品とは異なり、一定期間以上使用する事務用品もあります。OA機器と呼ばれる事務用品で、FAXやプリンター、コピー機、あるいはその複合機などです。安価なものだけでなく、高額な商品もあるため、起業時にすべてを購入して揃えるのは、リスクを伴います。

事務用品コスト(文房具など)を削減するには?

消耗品に属する事務用品やオフィス用品の固定費を削減するためには、大量に一括購入する方法がおすすめです。特に、複数の部署がある大きな企業では、部署ごとに文房具を注文する方法よりも、すべての部署で「何をどのくらい使うか」を把握し、まとめ買いするのがよいでしょう。まとめ買いによるスケールメリットが得られます。

また、購入した消耗品は、すべての部署で共用するようにすれば、「社内に在庫があるにもかかわらず注文してしまった」といったような余分な購入を回避しやすくなります。

事務用品コスト(複合機など)を削減するには?

業種や自社のニーズを考慮した上で、中古品を購入したり、あるいはリースで契約したりするなどの選択肢も検討するとよいでしょう。特に、経年劣化が顕著なカラーコピー機などのOA機器は、新品を購入するのは、コストパフォーマンスの観点からあまりおすすめできない場合もあります。

オフィスの固定費4.ITコスト

総売上の1%に達する場合も

オフィスの固定費削減を考える上で、最初はあまりピンとこないものの、意外に重要な要素となっているのがITコストです。パソコンなどのハードウェアのように目に見えるものだけでなく、ソフトウェアやホームページなどをはじめとするウェブの運営にかかる固定費も、ITコストの一部です。

必要なITコストは業種によって大きく左右されます。ただ、セキュリティー対策の度合いを常に万全にしておきたい場合や、ホームページのコンテンツや更新に強いこだわりがある場合などは、それなりに費用を掛ける必要があります。

ITコストを削減するには?

ITコストは、「購入よりもリースやレンタル」という考え方をベースとして削減につとめるのがおすすめです。IT関連の商品は次々に新しいものが開発されているため、最新タイプのものを購入したつもりでも、1年後にはもう最新タイプではなくなってしまうケースも珍しくないからです。リースやレンタルという選択肢があるものに関しては、できるだけその選択肢を利用しましょう。

税理士を雇用するゆとりがない場合は

企業によっては、帳簿の管理を税理士に任せているところもあるでしょう。ただ、固定費削減を目指すのであれば、どうしても税理士に頼らざるを得ない場合を除き、会計ソフトなどで帳簿管理をこなしていくのが理想的です。税理士に依頼する場合のコストと比較すると、はるかに低いコストで会計業務をすませられます。他にも、ウェブの運用を外注するかどうかなど、人件費とITコストには関連性がある場合が少なくありません。

まとめ

今回紹介したように会社を運営するために必要になる固定費も、ゼロにはできなくても抑えることはできます。このサイトでは、特にオフィスの賃金を抑えられるレンタルオフィスサービスを提供している会社を比較・紹介しているので、興味がある方は目を通してみてください。